日曜日, 12月 03, 2006

ラッセルのホームページの更新n.15

 ラッセルの『自叙伝』の続きです。
 http://russell.cool.ne.jp/beginner/AB22-080.HTM

 ・・・・。そうして、丁度休戦の日と同じ頃に、彼の父親は亡くなり、ウィトゲンシュタインは父親の財産の大部分を相続した。しかし、彼は、哲学者にとって財産は'じゃまなもの(無益なもの)’であるとの結論に達し、全額を弟と妹にあげてしまった。その結果、彼は、ウィーンからハーグまでの乗車賃(汽車賃)を払うことができなくなった。しかも、彼は非常に誇りが高く、そのお金を私からもらうことは自尊心が許さなかった。(しかし)ついに、この困難の解決法が見つかった。彼がケンブリッジ大学にいた時に所有していた家具や書籍がまだケンブリッジに置かれており、それを私に譲渡してもいいと、彼は意志表示をした。私は、彼の家具や書籍を保管していたケンブリッジの業者に、その価格(値打ち)について、助言を求め、そうしてその業者が提示した価格で購入した。それは、実際は、業者が示した価格よりずっと価値のあるものであり、私がかつて行った最良の'お買い得品'であった。この取引によって、ウィトゲンシュタインはハーグにやって来ることが可能となり、ハーグで私たちは、一週間、彼の本の一行一行について議論して過ごした。
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