日曜日, 6月 10, 2007

備忘録(2007.06.10)


昨日公共図書館で借りた本

1)藤原正彦『心は孤独な数学者』〔新潮社、1997年)
* 藤原正彦氏(数学者、御茶ノ水女子大学教授)の本を読むのは、『遥かなるケンブリッジ』に続いて2冊目。たまに文法的におかしい日本語が散見されるが、それ以外は流暢で読み易い。名文家と言ってよいだろう。この本は、ニュートン、ハミルトン(ウィリアム・ハミルトン)、ラマヌジャンの3人の著名な数学者に関するエッセイであるが、ニュートンとラマヌジャンのみを読むことにした。昨日ニュートンを読み、本日ラマヌジャンのところを読了したところであるが、大変興味深かった。バートランド・ラッセルにふれたところだけを以下引用しておく。(pp.124-125 & 200)

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 ・・・。ラマヌジャンの手紙をリトルウッドと検討し終えた瞬間から、ハーディは興奮状態に陥った。一夜明けると早速、ロンドンのインド省へ手紙を書き、この大天才をケンブリッジヘ招聘する方法があるか、打診した。インド省の役人は直ちにマドラスの学生援護局に手紙を書き、この若き天才の照会を求めた。ハーディは会う人ごとに、ラマヌジャンがいかにすごいかを喧伝し、その手紙を見せて歩いた。その狂躁ぶりは、内気で控えめな人柄と、「周囲の人が凡庸に見えてしまうほど」と評された華々しい知性で聞こえたハーディのことだけに、ケンブリッジにセンセイションを巻き起こしたという。
 哲学者のバートランド・ラッセルも、その頃に書かれたモレル夫人への手紙の中でこう触れている。
「トリニティのホールで、ハーディとリトルウッドに会いました。手放しの興奮ぶりでした。第二のニュートンを発見したからです。インド人で、年収二十ポンドばかりの、マドラスの一事務員なのだそうです。ハーディはすぐにインド省に手紙を書きました。直ちにその男をここに連れてきたい、と願っているようです。今のところまだ秘密になっていますが、つられて私まで興奮してしまいました。(pp.124-125)」

「さらにハーディは多忙を極めていた。このころ反戦運動を展開していたバートランド・ラッセルに対し、講義資格剥奪をトリニティが決定するという「ラッセル事件」が起こった。正義感の強いハーディは、精力的に当局を糾弾していたのである。トリニティは、戦争のおかげで、とげとげしい雰囲気に包まれていた。(p.200)」
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2)安倍晋三『美しい国へ』(文春新書)
・安部首相が官房長官時代に出版したもの。首相が出す本は、ほぼすべてにゴーストライターがいる。もちろん当の首相の考えを理解した上で膨らませ、本人に読んで確認してもらった上でのことであるから悪くはないであろうが、自分が独力で考えたことがないものも含まれるため、後から矛盾が出てくることもある。安倍首相が官房長官の時に書いたこの本は自分がすべて書き下ろしたものであろうか? それとも自民党総裁及び総理大臣指名を争うために、急遽出版したものであろうか?
 安倍首相の基本的な考え方は常日頃間違っていると思っているが、これまでまとまった考えを聞いたことがない。国民受けばかりを考えて発言しており気に入らないので、購入して読む気にはならないが、今度借りてみた。数十人の予約者がおり、ようやく回ってきたしだいである。来週土曜日の読書会が終わった後、読むことにしたい。
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