日曜日, 5月 20, 2007

孫引用の危険

 孫引用は不正確な場合が多い。
 ラッセルも、言ってもいないことを言ったとして、引用されることが多い。
 次の引用もその一例である。
(下記のジョークも、何人かが、孫・ひ孫引用をしている。たとえば、下記のURLの世界史ジョーク集n.72がそれ)
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2261/sekaishi/j-sonota-01.htm

 アラン・ウッド著の『バートランド・ラッセル-情熱の懐疑家』の中に出てくるエピソードであるが、記憶違いか、あるいは意図的に、誤引用したものと思われる。
 ラッセルがある時路上で目撃した話を、ラッセルがアラン・ウッドに語ったものを、ウッドが『バートランド・ラッセル-情熱の懐疑家』に書いたものである。しかし、上記の世界史ジョーク集では、ラッセルが「自分(=ラッセル)こそは守るべき文明そのものである」と言ったとしている。

 「・・・。あるエレガントな青年に路上で会った一老婦人が彼を捉えて、'他の青年たちが皆、文明の救済のために戦っている時に、あなたはそんな恰好をして恥かしくないのか' と詰問したところ、その青年は、'奥様、この私こそ、彼らが救おうとしているその文明なのです' とうそぶいた」というのである。

 引用する場合は出典を示さなければいけないということは、研究者にとっては常識であるが、研究者でなくても、そのように心がけたほうがいいだろう。
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