土曜日, 7月 28, 2007

備忘録(2007.07.28)


本日公共図書館で借りたもの
1)夏目房之介『不肖の孫』(筑摩書房、1996年)
2)寮美千子『小惑星美術館』(パロル舎)
・現在NHK-FM(にて再放送中10:45~11:00PM/7.23~7.27+7.30~7.3の全10回)のファンタジー・アドベンチャーの原作。
3)ビデオ:歴史紀行ドキュメンタリー「大航海:ヴァスコダ・ガマの道」v.1:ポルトガル(海工房、1999)

(2007.07.29追記)
★夏目房之介『不肖の孫』

・文豪夏目漱石(父方)の孫にして、奇人三田平凡寺(母方)の孫である夏目房之介のエッセイ(ただし、「両者の孫」に関連する記述は最初の50ページだけであるので、多少「看板に偽りあり」
以下、少し引用して紹介。
漱石と私と道後温泉:・・・。父や叔母達に聞かされた漱石は、ただひたすらに怖いオヤジだったから、私なんぞというデキの悪いのは随分とヒドイ目にあったに違いない(注:漱石は、房之介氏の父が10歳の時に死亡している)。・・・。正直にいえば、漱石の小説やおいたちを知るにつれ、やはり他人とは思えぬ(他人じゃないから当たり前だが)屈折ぶり、煩悶、胃弱に神経質、温泉好きで落語好き、のんびりと道後温泉につかる気軽さを祖父が気に入った理由も、わからないでもないのだった。
職業的面白がり屋:・・・。親なんて、そのように私らの無意識界に刷り込まれたものなのだ。不機嫌になった時の腕の組み方や、「おい」と言うときの声や表情がそっくりだということは、言動を無意識に鏡のように映しとっているわけで、その結果(だかどーだかわからないが)しゃべり方や発想、思考にいたるまで似てきてしまう(注:即ち、漱石→父・純一→房之介氏へと伝わっていく。)
父と漱石のことなど:・・・。父の話に出てくる漱石は、何しろ突然怒り出す、理不尽な父親である。・・・。私なら、ぜひ願いさげにしたい父親である。

人生が趣味の人:・・・。このへんな人(三田平凡寺)、じつをいえば私の母方の祖父なのである。・・・。とにかくあたらし物好きで、ローラスケートが日本に入ってきた頃これを購入し、あろうことか自宅2階をスケート場に改造して走り回ってと伝えられる。
平凡寺の血脈:三田平凡寺は、奇人の収集家として有名だった。明治末から我楽他宗なる趣味蒐集家の会を主催し、自ら本山の宗祖となって様々な蒐集家と交流した。末寺には、福井・松平の殿様から外国人、とび職からくず屋までが参加し、とびきり自由で開けた会だったらしい。本人は耳が聞こえず、話はすべて筆談。・・・。


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