火曜日, 1月 02, 2007

ホームページの更新n.21

 ラッセルの『自叙伝』の続きです。
 http://russell.cool.ne.jp/beginner/AB22-130.HTM

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・・・。私にとって、ロシア滞在期間中は、絶え間なく増大し続ける'悪夢の時'であった。私は、熟考の末、真実であると思われることを全て印刷物(本や雑誌論文)のなかで述べた(注:ラッセル『ロシア共産主義』/日高氏は、'on reflection' を「回顧してみて」と訳されている。)。しかし、ロシア滞在中私を圧倒した、この上ない恐怖感については述べなかった。残虐、貧困、嫌疑、迫害(といったもの)が、われわれが呼吸する文字通りの'空気'を形作っていた。われわれの会話は、絶えず、密かに監視されていた。真夜中によく銃声が聞こえ、理想主義者たちが獄中で銃殺されたことを知った。偽善的な見せかけだけの平等があり、すべての人間が、'同志'(ロシ共産党用語:tobarisch)と呼ばれていた。しかし、驚くべきことに、この言葉も、その対象がレーニンであるか、怠惰な使用人であるかによって、発音の仕方が非常に異なっていた。
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