別宮貞徳氏(1927~)の『不思議の国のアリスを英語で読む』(ちくま学芸文庫)は、面白く、有益であった。以下は、自分用の備忘録。
(1) for と because の区別
〇 It's morning, for the birds are singing.
× Its's morning, because the birds are singing.
違いはなんとなくわかっても、なぜ違うのかしっかりした説明をできる人は多くない。(即ち、同じ理由でも、その人にとっての説明 for と、事柄自体の直接の原因・理由の because とは大違い/また for は特に訳出しなくてもよい場合が多い)
(2)英英辞書を使うとよい理由(用例のなかで覚えないと、誤解しやすい)
(3) Suddenly she came upon a little three-legged table, all made of solid glass.
「硬いガラス」だと思ってしまいがちだが、solid gold (金むく)という表現があるように、「むくのガラス(=不純物のないガラス)」のこと。
(4)Alice had began to think...
× 考え始めた(=不自然な日本語) → ... という気になってきた
(5)rather は 「むしろ」よりも、「ちょっと」
"Come, there's no use in crying like that !" said Alice to herself, rather sharply.
(6) I remembered to post the letter.
× 私は手紙をポストに入れるのを覚えていました。
〇 私は忘れずに手紙をポストにいれました。
(7) Let's pretend to be policeman.
「おまわりさんのふりをする → おまわりさんごっこをしよう)
(8) "I did'nt know that Cheshire cats always grinned; in fact, I didn't know that cats could grin.
* in fact をいつも「事実」「実際」と無神経に訳さない! in fact は文脈によって意味が異なる。
→ in fact = actually「 実際のところは・・・だ」
(9) enough to make a cat laugh / enough to make a cat speak
ネコも笑うほどおかしい/猫も驚いてしゃべるほど(すてき)
(10) ブタに飛ぶ権利あり?
"Just about as much right,"said the Duchess,"as pigs have to fly: and m -
ブタは飛ぶはずがない → それほど馬鹿な話 (日本語でも、「ヘソが茶を沸かす」といった表現があるように」 → 「そんなことバカバカしくて信じられない」といった意味。